自転車の“チェーン落ち”をサッと直すワンポイントテクニック~自転車の処方箋#20

「自転車の処方箋」は、サイクリストの悩みに元プロロードレーサーが、スパっと回答するQ&Aの連載企画です。今回は「チェーン落ち」についての相談をいただきました。それでは管さん、よろしくお願いします!

チェーン落ちは“あの道具”で直す

チェーン落ちは“あの道具”で直す
誰もが経験するロードバイクのチェーン落ち。特にこれが頻発するのが上りの変速シーンだと思います。上りながら一枚一枚ギアを軽くしてギアが足りなくなり、やむなくインナーにギアを落とした瞬間。“スカッ”とクランクが空転・・・

こんな経験多いと思います。グループライドをしている場面で、チェーン落ちで遅れてしまい、グループは知らずにはるか遠くへ…。焦って直そうとしてもチェーンが絡まって、ますます復帰に時間がかかる、といった状況にもなりかねないのです。

チェーンを手で直せば、油で汚れてブラケットもベトベト
たとえうまくできたとしても、チェーンを手で直せば、油で汚れてブラケットもベトベト。お気に入りのウェアも汚れてしまい切ない思いをしてしまうもの。ここでタイヤレバーやアーレンキー1本で簡単にチェーンをギアに戻せる方法を3ステップで紹介しましょう。

簡単3ステップでチェーン復帰

    まずはタイヤレバー、アーレンキーを準備します。

  1. まずはタイヤレバー、アーレンキーを準備します。これらは普段のライドでもサドルバッグやツールケースに常備していると思います。
  2. チェーンリングの反対側にまわりチェーンをのぞき込むような体勢になります。

  3. チェーンリングの反対側にまわりチェーンをのぞき込むような体勢になります。そこからタイヤレバーをチェーンステーの下に垂れるチェーンに引っ掛ける。
  4. クランクに沿わせながらチェーンリングの表側にチェーンを出してあげてインナーチェーンリングの上死点あたりで落ちていたチェーンを引っ張り上げてギアに掛けてあげる。

  5. クランクに沿わせながらチェーンリングの表側にチェーンを出してあげてインナーチェーンリングの上死点あたりで落ちていたチェーンを引っ張り上げてギアに掛けてあげる。

    下から見上げた感じです。一回チェーンリング側に持ってくるのがポイント!
    ▲下から見上げた感じです。一回チェーンリング側に持ってくるのがポイント!
  6. 再びインナーチェーンリングの下死点に向けてクランクの下側へレバーをはわせてあげれば簡単に脱チェーンからの復帰ができます。

  7. 再びインナーチェーンリングの下死点に向けてクランクの下側へレバーをはわせてあげれば簡単に脱チェーンからの復帰ができます。

慣れてくれば10秒もかからずにチェーンを入れ直すことができ、手を汚さずにすぐにライドに復帰が出来るおススメテクニックです。

ポイントは仮止め! ホイール脱着の簡単テク

ついでですが、ホイールの着脱方法も質問が多いので、ここで紹介ておきます。輪行やクルマへの積み込みで頻繁に外すホイールですが、「フロントから外してもリアから外しても作業がしづらく、車体をひっくり返してホイール脱着しています」という声も多く聞かれます。これもコツをつかめば簡単!

片方のクイックを緩めたら仮止め状態でキープして、もう片方のホイールを脱着するのがポイントです。ではホイールの脱着方法を手順を追ってみましょう。

ホイールを外すときのテクニック

    基本準備としてチェーンをトップ(一番小さなギア)にかけておく。

  1. 基本準備としてチェーンをトップ(一番小さなギア)にかけておく。次に25C~28Cのワイドタイヤを装着している場合はキャリパーブレーキのレバーを緩めておきましょう。
  2. ハンドルの上から覆い被さる様にフロントのクイックレバーをすぐに外れる程度に緩めてあげます。

  3. ハンドルの上から覆い被さる様にフロントのクイックレバーをすぐに外れる程度に緩めてあげます。ここでフロントホイールを外さないことが重要です。
  4. サドルを左脇で抱えて、リアのクイックレバーを解放します。

  5. サドルを左脇で抱えて、リアのクイックレバーを解放します。
  6. サドルを左手に車体を持ち上げ、リアホイールを右手で真上から叩いて落とします。

  7. サドルを左手に車体を持ち上げ、リアホイールを右手で真上から叩いて落とします。このとき、バイクを斜めにしたときの支点になるのがフロントホイール。これがあるので作業が楽になるのです。ちなみに・・・新型シマノのリアディレーラーは真下にホイールが落としづらい構造になっているため、プーリーのゲージを指で引っ張ってあげることでホイールを外すことが容易にできます。
  8. リアホイールを外し、置き場所がなければ足の後に立て掛けておきます。

  9. リアホイールを外し、置き場所がなければ足の後に立て掛けておきます。こうすることで作業スペースを最小限にすることができます。
  10. 外れた前輪を立て掛ければホイール外しは完了です。

  11. 右手でトップチューブを持ちフロントを持ち上げれば、フロントホイールのクイックをゆるめているので、簡単に外れます。外れた前輪を立て掛ければホイール外しは完了です。

ホイールをつけるテクニック

では続いてホイール装着のテクニックです。基本準備はリアディレーラーがトップ側(一番小さいギア側)にセットしておきます。まずはフロントホイールから装着していくのがポイントです。リアホイールは先ほどのように脚の後ろに立てかけておくと少ないスペースで作業ができます。基本的には外し方の逆なので、ポイントになる部分を重点的に紹介します。

  1. フロントホイールを左手に、ステムを右手にフロントホイールをフォークにはめます。そしてクイックはしめずに次の作業へ。
  2. 身体を返してサドルやトップチューブを左手に、フロントホイールを軸に車体を少し持ち上げて後輪をはめやすい環境を作ります。右手でリムを持ち上から覗き込むようにチェーンをトップギアに引っ掛けながら車輪をリアエンドに滑り込ませます。
  3. 前ホイールを仮止めした状態で、左脇でサドルの上をおさえながらリアホイールのクイックレバーを締めます。

  4. 前ホイールを仮止めした状態で、左脇でサドルの上をおさえながらリアホイールのクイックレバーを締めます。車体の真上から加重をかけることでホイールがズレずに固定することができるのです。ホイールがズレるとリアのギアが噛みづらくなるので変速不調の原因になります。クイックレバーはフレームの内側に折るとスッキリとした印象を受けます。
  5. 再びリアホイールを持ち上げ回転させながらセンターをチェック。最後にキャリパーブレーキのクイックレリーズを適度に締めて、リアブレーキの引きシロを確かめます。
  6. 身体を返してハンドルの上から右脇でおさえながら加重をかけて、フロントホイールのクイックレバーを締めます。

  7. 身体を返してハンドルの上から右脇でおさえながら加重をかけて、フロントホイールのクイックレバーを締めます。これをすることでホイールがズレずに固定できるようになります。
  8. フロントホイールを持ち上げて回転させてセンターをチェック。最後にクイックレリーズを締めて、フロントブレーキの引きシロを確かめれば完成です。

以上がスムーズなホイール脱着のテクニックです。クイックリリースを仮止めして作業することでグッと効率アップ!トライしてみましょう!

●バックナンバー「自転車の処方箋」
第1回:上手い下りの走り方
第2回:楽しく上るための回転数と心拍数の関係
第3回:予習が上りを楽にする
第4回:緩い上りは“もも裏”で効率的に上る
第5回:平均勾配7.8%の激坂の走り方
第6回:斜度に合わせてシッティングとダンシングを使い分ける
第7回:バイバイ立ちゴケ! 走行スキルを高める“スタンス”とは?
第8回:「自転車が下手だな」と思うなら…各段にうまくなる“チョコチョコ乗り”を
第9回:段ボールでマスターする平地のダンシング前編
第10回:“華麗なダンシング”のための3つのポイント
第11回:スマートに止まるブレーキングの極意
第12回:安全に止まるためのバイクコントロール
第13回:3つのスキルでコーナリングの達人になろう(基本編)
第14回:3つのスキルでコーナリングの達人になろう(外足荷重編)
第15回:3つのスキルでコーナリングの達人になろう(リーンイン・リーンアウト編)
第16回:リム打ちパンクは“抜重”で回避する
第17回:【カッコイイ】段差回避のテクニック“ホッピング”
第18回:【初心者ライダー実践講座】指でバランスを整える方法
第19回:簡単にできて寒さ対策バッチリ。シューズカバーを手作りする

管洋介

WRITTEN BY管洋介

1980年生 A型 日本スポーツ協会公認コーチ 競技歴22年のベテラン。国内外で50ステージレース以上経験し、スペインで5シーズン BRICO IBERIA 、VIVEROS [現 CONTROL PACK]と契約、国内ではアクアタマを設立、インタープロ、マトリックス、群馬グリフィンを経て、国内の有望な若手選手とファーストエイドなど安全啓蒙を指南できるメンバーを集めたAVENTURA CYCLINGを2017年に設立、走りながら監督を務める。プロカメラマンでもあり、自転車雑誌の製作に長く関わっている。現在はプロライディングアドバイザーとして初心者向けのライディングレッスンなどを多く手がける。

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