簡単にできて寒さ対策バッチリ。シューズカバーを手作りする~自転車の処方箋#19

「自転車の処方箋」は、サイクリストの悩みに元プロロードレーサーが、スパっと回答する連載企画です。今回は、愛知県のTOKUさんから「冬の寒さ対策について教えてください!」という相談をいただきました。それでは管さん、よろしくお願いします!

冬ライドは足元と首周りが冷たい

木枯らしが吹く季節にライドに出かけると気になるのが足先や首周りの冷え
特にビンディングシューズは通気性が高くなるように、メッシュ素材を増やして作られていることもあるので、冬はかなり寒いのが正直なところ。

この時期にベテランのサイクリスト達と集まると目につくのがシューズの上を覆っているシューズカバーです。シューズカバーはいろいろな種類がありますが、通気性が高いシューズを覆って、足先を温める機能をもつもの。ただし私の周りにいるベテランライダーは、使っているのが靴下タイプものが多いです。 

ベテランライダーは、使っているのが靴下タイプものが多い
実はこのアイテム、元をたどれば1990年代のプロ選手達が靴下をシューズの上から履いたことから始まっています。そこからメーカー側が裏をグリップテープで補強したり、丈夫な縫製や生地を使用してたり、製品としてリリースしているのです。

確かにメーカー品はカッコいいのですが、私の周りのベテランライダーは出先で寒くなったら、靴下を買って作ったりして履きこなしている人が多い。あえて作ることでベテランテイストな格好良さも醸し出せます。

手作りなら、カラーバリエーションも自由に作れますし、安い靴下なら汚れてもすぐに取り替えられます

ハサミと靴下があればOK

ハサミと靴下があればOK
準備は簡単。ハサミ(カッターでも可)とシューズより一回り大きめの靴下(靴のサイズが26cmだったら25cm-28cm対応の靴下)を用意しましょう。そしてシューズを履いて、その上から靴下を履いていきます。このときに丈の短い靴下だとくるぶし辺りまでしか丈が届かず少し不格好。長めの丈がオススメです。

椅子に座り脚を組んで
次に椅子に座り脚を組んでクリートの真ん中に少し切り込みを入れます。靴下は伸縮性があるので、大きく切ってしまうと靴の側面までガバッと穴が開いてしまいます。クリートより少し小さめに穴をあけて指で広げてあげましょう。

クリートの真ん中に少し切り込みを入れる
クリートがビンディングに入りやすいように切った穴からクリートを全て出してあげるとオーバーシューズカバーの完成です!カカトに穴を空けた方が!?と考える方もいると思いますが、あくまで普通の靴下なので穴の数が多いと耐久性が著しく落ちてしまいます。あくまで10回~15回程度のライドで消耗してしまうアイテムとして活用してください。

ポイントは切りすぎないこと! 伸縮性が高いので、切り込みを小さくして穴を広げながらクリートを出す。
▲ポイントは切りすぎないこと! 伸縮性が高いので、切り込みを小さくして穴を広げながらクリートを出す。

こんな時にも便利!

いまや靴下はコンビニでも手に入る時代。即席の靴下シューズカバーは、ライドに出かけるも意外と寒く戻るには時間がない場面や、ライドの途中天候が急変し雨が降ってきてしまった時などハサミをお店から借りて作ることもできます。量販店では靴下のカラーリングも豊富なのでジャージの色に合わせて選んでみるのも楽しみのひとつです。

サブアイテムとして活躍するバンダナネックウォーマー

冬場に活躍するウォーマーとしてバンダナも活用できるアイテム
冬場に活躍するウォーマーとしてバンダナも活用できるアイテムです。バンダナを首に巻くことで冷たい風の侵入を防いでくれます。さらに首には太い動脈が通っていて、そこを温めると脳や全身に行き渡る血液を温めることになります。

またこのバンダナネックウォーマーの最大のメリットは、暑くなれば簡単に外せて、水に濡らせばお手拭きや顔を拭けるタオル代わりにもなることです。ネックウォーマーを手拭き代わりにするのは少し気が引けますよね!

バンダナを三角に織り
装着の仕方は至って簡単。バンダナを三角に織り、顎を中心に首の後で2重結びをして首元に落とし、ジャージの襟元にバンダナの端をしまってあげれば完成です。

顎を中心に首の後で2重結びをして首元に落とし、ジャージの襟元にバンダナの端をしまってあげれば完成
すこし首元に余裕を持たせることで排気ガスが多い道路ではオーバーマスクとして使用することもできます。バンダナはカラーバリエーションも豊富で手軽なアイテム。ジャージを引き立てるサブアイテムとしてバンダナネックウォーマーを活用していきましょう。

●バックナンバー「自転車の処方箋」
第1回:上手い下りの走り方
第2回:楽しく上るための回転数と心拍数の関係
第3回:予習が上りを楽にする
第4回:緩い上りは“もも裏”で効率的に上る
第5回:平均勾配7.8%の激坂の走り方
第6回:斜度に合わせてシッティングとダンシングを使い分ける
第7回:バイバイ立ちゴケ! 走行スキルを高める“スタンス”とは?
第8回:「自転車が下手だな」と思うなら…各段にうまくなる“チョコチョコ乗り”を
第9回:段ボールでマスターする平地のダンシング前編
第10回:“華麗なダンシング”のための3つのポイント
第11回:スマートに止まるブレーキングの極意
第12回:安全に止まるためのバイクコントロール
第13回:3つのスキルでコーナリングの達人になろう(基本編)
第14回:3つのスキルでコーナリングの達人になろう(外足荷重編)
第15回:3つのスキルでコーナリングの達人になろう(リーンイン・リーンアウト編)
第16回:リム打ちパンクは“抜重”で回避する
第17回:【カッコイイ】段差回避のテクニック“ホッピング”
第18回目:【初心者ライダー実践講座】指でバランスを整える方法

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BY管洋介

1980年生 A型 日本スポーツ協会公認コーチ 競技歴22年のベテラン。国内外で50ステージレース以上経験し、スペインで5シーズン BRICO IBERIA 、VIVEROS [現 CONTROL PACK]と契約、国内ではアクアタマを設立、インタープロ、マトリックス、群馬グリフィンを経て、国内の有望な若手選手とファーストエイドなど安全啓蒙を指南できるメンバーを集めたAVENTURA CYCLINGを2017年に設立、走りながら監督を務める。プロカメラマンでもあり、自転車雑誌の製作に長く関わっている。現在はプロライディングアドバイザーとして初心者向けのライディングレッスンなどを多く手がける。

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