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自転車との相性はバツグン! ライド×自家焙煎でコーヒーを淹れる その2 ~2泊3日「バイク&キャンプ」のレシピ#16

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自転車旅が大好きなモデル兼トラベルライターの山下晃和(やましたあきかず)さんが、キャンプをしながらの自転車旅(バイク&キャンプといいます)の楽しみ方を伝える連載企画です。

ポイントは2泊3日。
この泊数を無理なく旅することができるようになれば、国内でも海外でも、長期間の旅でも問題なく楽しめるようになるという。とはいうものの、「どんな自転車が必要?」「必要なギアは?」「外で寝るの怖い(笑)」などなど、越えなきゃいけないハードルはいくつかあります。それらを初心者でもひとつずつクリアしていけるように、山下さんにはその旅のレシピを教えてもらう予定です。それではよろしくお願いします!

手を止めずにひたすら振るべし!

前回は外でコーヒーを淹れる道具、コーヒー豆を焙煎する道具について説明しました。今回は、これらを使って、実際にコーヒーを焙煎して、オリジナルの美味しい一杯を淹れてみましょう。
前回紹介した道具さえあれば、意外と簡単です。


まずはユニフレームのコーヒーロースターに生豆を入れます。このときに、本来ならカタチが悪い豆、割れている豆、色が変わっている豆を取り除くほうが美味しくなるのですが、私のやり方はとりあえず先に焙煎してから、後で完全にローストできなかった豆をピックするやり方にしています。

そうすることによって、多めに抽出できるからです。外カフェをする場合は、販売目的でないので飲むとしても、自分と友人くらい。味よりも量を選ぶやり方です。もし、徹底的に味を追求したい方は、焙煎の前に欠点豆を取り除いてください。


何度か登場していますが、シングルバーナーであるSOTOのウィンドマスターの準備をします。ガス缶(OD缶)を本体にセットします。火力調整のツマミが閉まっていることを確認し、ガス缶を回してねじ込めばいいだけで、とても簡単です。

隙間があるとガスが漏れるので、最後までキツめに締めましょう。ゴトクという4本の棒を拡げます。このゴトクの上にロースターを載せることはないのですが、火までの距離感を取る目安として開いておきましょう。あとは、ツマミを開いてガスを出し、シューっという音がしたら、点火のボタンをカチッと押します。


ボーッという音とともに青い炎が上がります。ツマミを調整し、弱火から中火くらいで。家のガスよりも火力が強いので気をつけながら。ロースターをゴトクの上に載せずに、10cmくらい離したところで左右、水平に振って、均等に火が入るようにします。

この時に力任せに振るのではなく、手首をクイッと動かしてスナップをきかせ、軽く。コーヒー豆が中で踊っていて、混ざるような感覚です。もし、豆が動かないなら、豆の入れ過ぎです。最初は少なめでやってみましょう。


シャカシャカと動かして、手を止めないようにします。けっこう腕か疲れるので、仲間がいる場合は交代しながら楽しみましょう。手を止めてしまうと焙煎される豆の焼き加減が偏ってしまいます

約8分ほどで、豆から水分が抜けていき、豆が白っぽくなってきます。このときにチャフ(コーヒー豆の薄い皮)が下に落ちてくるので、ロースターを裏っ返して、下に落とします。上部の蓋が荒い網になっているので、簡単に落ちます。


だんだんコーヒーがローストされると良い匂いが出てきます。手を止めずにパチパチと弾ける音がするまで振り続けます。この音が鳴ることをハゼといいます。

だいたい時間にして15分くらいです。そのまま焙煎をしていくと、火を入れてから20分くらいでパチパチと再び音が鳴り、2回目のハゼが起きます。

好みの“色”になるまで焙煎


このように色が変わって来たら、焙煎は完了です。これは浅煎りの状態です。酸味が強めで、苦みが少なくフルーティな味わいが好きな人に最適です。

私は深煎りが好きなので、さらに焙煎を続けます。この辺の味や焙煎度は人によって好みが変わって来るので、何回かトライしてみて、自分が好きな味を見つけるのも楽しいでしょう。


さらに4,5分ほどローストしたら、このくらいまで変化してきました。豆の表面が黒光りするところまで来ると深煎りです。

自分が決めた焙煎度に達したら、火を止め、ロースターを地面に置いて、余熱を冷ましていきます。このとき冷ましているときも焙煎が進むので、だんだんと色が変わっていきます。


写真だと少し分かりにくいのですが、黒い粒粒のようなものがSOTOのポップアップテーブルの上に落ちていると思います。これがチャフ(コーヒーの表面にある薄皮の殻)です。

家でやるとコンロの上にこれが落ちて掃除が大変なのですが、アウトドアであれば、テーブルをササっと拭くだけでOKなので、非常に楽です。地面に落ちてもゴミではないので自然に還りますが、気になる方はビニル袋などを横に置いておいて、都度そのうえで裏っ返して振れば地面には落ちません。

出来の悪い豆をピックアップ


ロースターに入れていた豆の余熱が取れたら、いったん皿に入れ替えて、割れている豆、色が濃くない未熟豆、虫食い豆などの欠点豆を抜いていきます。これらが入っていると雑味のあるコーヒーになってしまうそうですが、飲んでも特に問題ないので、面倒な場合、時間のない場合はそのまま挽いてしまってもOKです。

豆のピックアップの基準は、私はまず色、それから形を見ます。明らかに中が空っぽの豆は選別が簡単ですが、色の基準は難しいので、慣れるまで何回か試してみましょう。失敗しても飲めないほどではないので、何度かトライしてみましょう。


このような豆はピックしておきます。色も薄めで、中身が空っぽのものもあります。逆に黒くなり過ぎていて、硬過ぎる豆もグラインドのときに大変なので、ピックしておきます。

これは覚えておかなくても良いのですが、欠点豆は、貝殻豆、欠け豆、割れ豆、虫食い豆、カビ豆、黒豆、未熟豆という種類があるそうです。

いよいよドリップへ


もう一度シングルバーナーを用意します。今度はクッカーに水を入れてお湯を沸かしておきます。今回の豆の量だとだいたい3杯から4杯分が作れるので、400mlくらいが適当です。

500mlのミネラルウォーターのペットボトル一本あれば足ります。川の上流で水がキレイなところでは、川の水や湧き水でコーヒーを淹れることもでき、さらにステキなコーヒーができると思います。この量なら冬でもだいたい4~5分で沸くと思います。ドリッパーに注ぐお湯は、沸騰しているお湯よりもやや冷めた80℃くらいがちょうど良いでしょう。


お湯が湧くまでの間に前回、買っておいたほうが良いということでオススメしたポーレックスのミルに、焙煎した豆を入れて、グラインドします。

蓋を閉め、ハンドルを持ってグリグリと回します。今回はペーパードリップなので、中挽きくらいにします。ここでフレンチプレスやパーコレーターで淹れる人は粗挽きに、エスプレッソマシーンを使いたい人は、細引きにします。

中のセラミック刃を回せば調整できるので、挽き方も回数を重ねて、いろいろと試してみましょう。


挽いた豆を、前回ご紹介したダイネックスのカップの上にドリッパーをセット。その上にペーパーを載せ、豆を入れます。このドリッパーとペーパーは風に飛ばされてしまうので、豆をある程度粉にしてからセットしましょう。


クッカーのお湯を粉の真ん中に落としていきます。アウトドア用のケトルであればもっと簡単に注げると思います。


お湯を100mlくらい注いだら、少しお湯を注ぐのを待って、蒸らします。私は1分くらいです。


ここからは普段家で淹れているやり方で良いと思います。人によっては、ぐるぐる回して入れる人、ドリッパーいっぱいまで入れる人などさまざま。私は、同じ真ん中っくらいを狙って再度入れていき、そのまま落ちるスピードと同じく上から細く注いでいきます。


出来上がりです。とても良い香りが広がってきました。


自分の愛車を眺めながら、自分で焙煎し、挽きたて、淹れたてのコーヒーを飲むのは格別な時間です。お菓子や補給食と一緒に、ランチの後でも良いと思います。

次回は、他にあったらいい道具や積載したバッグをご紹介します。

●バックナンバー「バイク&キャンプのレシピ」
第1回 まずは旅に出てみよう!
第2回 テント、寝袋、マット。まずは三種の寝具をそろえるべし!
第3回 自転車旅に最適なテントとは?
第4回 ちゃんと眠れる自転車旅向けの寝袋とは?
第5回 キャンプツーリングに向いている自転車とは?
第6回 ロードバイクでキャンプは難しい?
第7回 自転車旅に最適なタイヤとは?
第8回 いろんなバイクで旅する方法
第9回 ロードバイクでキャンプに行く方法その1
第10回 ロードバイクでキャンプに行く方法その2
第11回 MTBでキャンプをするための最低限の知識 その1
第12回 MTBでキャンプをするための最低限の知識 その2
第13回 自転車キャンプを快適にするアイテム その1
第14回 自転車キャンプを快適にするアイテム その2
第15回 ライド×自家焙煎でコーヒーを淹れる その1

B!

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